問題「公式に認められている星座の数はいくつあるか」で、正解は88個でした。
太古の昔から、人々は天上に広がる果てしない宇宙を見上げてきました。
夜空に輝く星を見て、洪水の時期や穀物の収穫時期を知ったり、また星の方向を頼りに大海原へ船を漕ぎだしたりと、人間の営みは星と深く結びついていました。
更には星の並びに想像を巡らせ、星と星を繋いで神々や動物などに見立て、名前をつけていました。これが後に「星座」と呼ばれるものになりました。
北半球で見られる星座の発祥は、4000年~5000年前のメソポタミア地方です。バビロン近郊で発見された粘土板には、「さそり座」や「ペガスス座」といった星座の絵が描かれています。海洋民族フェニキア人の地中海交易を通じてそれらがギリシャへ伝えられると、神々や英雄の物語と結びついて星座の神話が成立しました。
紀元前8世紀のホメーロスの叙事詩、「イーリアス」と「オデッセイア」には、「オリオン座」や「うしかい座」「おおぐま座」といった星座が登場します。このようにギリシャ神話と結びついた星座はプトレマイオス星座とも呼ばれているのですが、プトレマイオスとは2世紀に現在のエジプトにあるアレクサンドリアという都市で活躍したギリシャ人博物学者です。プトレマイオスは48個の星座の1022個の恒星の観測記録を「アルマゲスト」という本にまとめました。
この本は天文学の本としては現存する最古のもので、ここに記録された48の星座は「プトレマイオスの星座」と呼ばれるようになりました。
なお、トレミーの星座と表記されることもありますが、トレミーとはプトレマイオスの英語読みです。プトレマイオスの星座は48個あるのですが、現在使われているのは47星座で、「アルゴ座」だけは使われていません。
「アルゴ」とはギリシャ神話に出てくる船の名前です。非常に大きな星座だったため、後にりゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座の4つに分割されました。
また、南半球から見える星座は、16世紀以上の大航海時代につくられました。当時の航海で使われた最新の科学技術機器や発明品、ヨーロッパの人たちが初めて目にする珍しい動物などが新たに星座として加わりました。
北半球にいる私たちは、なかなか聞きなれないですが、「望遠鏡座」「コンパス座」「カメレオン座」といった星座があります。
一方、中国を中心とする東アジアでは、西洋とまったく異なる星座が使われていました。中国では、今から2500年ほど前に皇帝を中心とした官僚制度や社会を反映させた星座がつくられました。当時の中国には、地上の世界を天に投影させるという思想があり、空全体を一つの国家として見立てていたのです。日本でも古代から江戸時代までこの中国の星座がつかわれていて奈良県の「キトラ古墳」や「高松塚古墳」では、中国の星座が描かれた天文図が発見されています。
「星座」の決め方は、20世紀初めまで世界共通のルールがなく、その数も名前も、国や地域、時代によりまちまちでした。
現在私たちが使っている星座は、その名称とラテン語名からとったアルファベット3文字の略符、星座の境界線が国際天文学連合IAUによって学術的に決められていて、その数は88個あります。
1つ1つの星座には決められた空の領域があり、全ての天体は必ずどこかの星座の領域に属します。
私たちが普段よく使っている「北極星」「北斗七星」「すばる」といった呼び方は、実は星座の名前ではありません。
北極星はこぐま座の星、北斗七星はおおぐま座の一部、すばるはおうし座にある星団の名前です。
また、星占いでよく見かける12星座は、元々天文学的に重要な意味を持っていました。
「おひつじ座」「おうし座」「ふたご座」「かに座」「しし座」「おとめ座」「てんびん座」「さそり座」「いて座」「やぎ座」「みずがめ座」「うお座」の12の星座です。
これらの星座は地球から見た太陽の天球上の通り道である黄道に沿って並んでいて、太陽や月、惑星の位置を示す基準として使われていました。
厳密にいうとへびつかい座も黄道にかかっているのですが、へびつかい座は黄道12星座には含まれません。
黄道12星座の始まりはおひつじ座ですが、歳差運動といって地球の自転軸が約2万6千年の周期でゆっくり首振り運動をしているため、基準点が少しずつずれてしまい、現在はうお座に移動しています。
太陽は1年かけて12の星座をひとめぐりするのですが、一つ一つの星座が占める天球上の広さは異なるため、太陽が通り過ぎる時間は均一ではありません。
そこで1周360°の黄道の円を30°ずつ均等に12分割し、1つずつ星座を当てはめました。
これを黄道12宮といいます。
自分が生まれた時に太陽がどの宮にいたかで自分の誕生日の星座が決まります。
自分の誕生日に自分の星座を見ることができないのは、自分の星座がちょうど太陽の近くにある、つまり昼間の時間帯に地平線上にあり、星が見える夜になると地平線の下に沈んでしまうからです。
そういう訳で残念ながら誕生日に自分の星座を見ることは難しいのですが、誕生日の3か月ほど前でしたらよく見えますので、みなさんもぜひこの時期を狙って自分の誕生日の星座を探してみてください。
星座の空の領域の広さの話をしたので、一番広い星座と一番狭い星座を紹介します。
一番領域の広い星座はうみへび座です。
ギリシャ神話で勇者ヘルクレスに退治された怪物のヘビです。
春から初夏にかけて南の空で見ることができますが、領域が広い割に明るく目立つ星がないので、探すのが少し難しい星座です。
反対に最も面積の狭い星座はみなみじゅうじ座です。
2つの1等星を含む4つの明るい星があってとても目立つのですが、南の低い位置にあるため、日本では沖縄や小笠原諸島を除き、見ることが困難な星座です。
みなみじゅうじ座は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に、終着駅「サウザンクロス」として登場します。
主人公が銀河鉄道に乗り込んだのははくちょう座の辺り。
翼を広げた白鳥の姿は十字の形にも見えるため、はくちょう座は北十字とも呼ばれています。銀河鉄道の夜は、北十字から南十字へ旅する物語でもあるのです。
さて、日本は南北に長いため、緯度によって見える星空の範囲が異なります。
みなみじゅうじ座は日本から見えにくい位置にあると説明しましたが、88星座のうち、北極星の反対側である天の南極付近にある星座は、日本から全く見ることができません。
「カメレオン座」「テーブルさん座」「はちぶんぎ座」の3つですです。
岡山からですと、「きょしちょう座」「くじゃく座」「コンパス座」「とびうお座」「はえ座」「ふうちょう座」「みずへび座」「みなみのさんかく座」なども見ることが難しい星座です。
最後に、各季節の見つけやすい星座について紹介して終わりたいと思います。
今の季節、天頂の高いところを横切っていくのがペガスス座です。
大きな台形はペガススの胴体部分で、秋の四辺形と呼ばれています。
寒くなる季節の見どころは、競うように明るく輝く星とそれを擁する星座たちです。
まず最初に地平線から上がってくるのは、黄色の明るい星カペラと5角形が目印のぎょしゃ座、そしてオレンジ色のアルデバランとヒヤデス星団、プレヤデス星団和名すばるのあるおうし座、続いて出てくるのが冬の主役オリオン座。赤い色のベテルギウスと青白い色のリゲル、そして3つ星が目印です。
その北にはカストルとポルックスという明るい星が2つ並んだふたご座があります。続いて上ってくるのはこいぬ座、プロキオンという明るい星が目印です。
最後は太陽を除く全天で最も明るい星、シリウスがギラギラ輝くおおいぬ座です。
オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスを結ぶときれいな正三角形になります。
これが冬の大三角です。
また、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲルを結んだ六角形は、冬のダイヤモンドと呼ばれています。
春になって見えてくるのは、クエスチョンマークを逆さにしたような形が目印のしし座です。
しし座には1等星のレグルスと、2等星のデネボラという2つの明るい星があります。
続いて上ってくるのはうしかい座、オレンジ色の明るい星はアルクトゥルスです。
南の空に見えるのがおとめ座、白く輝くスピカがあります。
しし座のデネボラ、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカの3つの星を結ぶと、春の大三角になります。
夏は七夕でよく知られた織姫星と彦星を見ることができます。
織姫星はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルです。両方とも白くて明るい星です。
もう一つの明るくて白い星ははくちょう座のデネブ。
この3つを結ぶと夏の大三角になります。
先ほどご紹介した通り、はくちょう座は十字の形をしているので、すぐ見つけられると思います。もう一つ、南の空にSの字型をして見えるのがさそり座です。
心臓のところには赤く不気味に輝く星アンタレスがあります。
そしてさそり座のすぐ東隣りにあるのがいて座です。6つの明るい星がひしゃく型に並んでいるのが特徴です。
このひしゃく型は北斗七星に対して、南斗六星と呼ばれています。
いて座の辺りをよく見ると、ぼやっとした雲のようなものがあります。
いて座は私たちのいる銀河系の中心方向にあり、たくさんの星が集まっているところが雲のように見えるのです。
星の集まりは川のように延びていて、はくちょう座付近を通り、さらに北まで続きます。これが天の川です。
織姫星と彦星はこの天の川の両岸に位置していて、二人は七夕の夜、この川を渡って会いに行くことになります。
このように、季節によって色々な星座や星たちに出会うことができます。
星座早見盤を持って、ちょっと出かけてみませんか?
星座の神話や星の名前の由来について調べてみるのも楽しいですよ。
以上、解説は、日本スペースガード協会 藤原さんでした。
プラネタリウムの解説のように星空を見ながらお聴きください。
冬の星座・星をみる最適時間は、12月は、22時頃。1月は、21時頃。東の空に見えてきます。
東の空大きな六角形(ダイヤモンド)を一緒に探していきましょう。
まず、オリオン座を見つけてください。長四角の中にきれいに並んだ3つの星「三つ星」四つの星と三つ星を結ぶとリボンのような形になります。
長四角の左上の星は、一等星「ベテルギウス」、左下の白い星は、一等星「リゲル」、オリオン座は、2つの一等星をもつ星座です。
オリオン座にある「三つ星」を見つけると他の星も見つけやすいです。「三つ星」を結んで左下あたり、とても明るい星があります。この星の名前は、おおいぬ座の「シリウス」です。
「シリウス」は星座を形作る中で、一番明るく見える星です。
「三つ星」に戻って右側、明るい赤い星 おうし座の「アルデバラン」です。この「アルデバラン」より北に黄色っぽく明るい星、ぎょしゃ座の「カペラ」といいます。
ぎょしゃ座の「カペラ」から下に目を向けると、二つ仲良く並んだ明るい星があります。ふたご座の星で、下の黄色っぽい星が一等星の「ポルックス」です。さらに、西、左下側に白色の星がこいぬ座の「プロキオン」です。そして「シリウス」に戻ります。
おさらい
「シリウス」から上方向「リゲル」、さらに上がって「アルデバラン」北側にいくと「カペラ」、下がると「ポルックス」さらに下がって「プロキオン」。
オリオン座の神話を紹介。オリオンと月の女神アルテミスのお話。
オリオンとアルテミスは、恋人同士でした。アルテミスは、男勝りで、狩りが好き。
意気投合した二人は、デートを重ねる。しかし、それを見ていてよく思わないのは、アルテミスのお兄さんアポロン。
アポロンは、人間の血を引くオリオンと自分の妹が仲良くしているのが許せなかった。
兄アポロンから妹アルテミスへ「最近デートばっかりして狩りのうでが下がってるんじゃない?」「じゃあ、海の中で光っているのが見えるだろ?あれに向けて弓を射ってみなよ?」アルテミスを海の中で光っているところへ矢を放ち見事命中。すると、光は、海の中へ消えていった。
海の方へ行ってみるとなんと!自分が放った矢が自分の恋人であるオリオンにあたってしまった。オリオンはそのまま死んでしまった。兄・アポロンはどのように思ったのでしょうか?
月夜の晩。オリオンの傍を月が時々通ります。空の上でも時々デートを重ねている。そんな場面をみることができます。
オリオンの脇の下あたりに赤い「ベテルギウス」そして、左足あたりにあるのが、白い「リゲル」です。
これを日本では、源氏と平家にあてて、「源氏星」「平家星」呼んでいました。
これ、実は、それぞれの旗の色 源氏=白 平家=赤。ところが、伝承されている星は、逆で、赤い星「ベテルギウス=源氏星」白い星「リゲル=平家星」なんです。これは、なぜかというと岐阜県に伝わる話ですが、源氏に追われた平家軍。自分たちが平家だと知られたくないために、あえて反対の色を伝承にしたと考えられています。
おおいぬ座の「シリウス」は、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」という意味で、和名・日本では、「青星」と呼ばれています。「シリウス」は白色の星ですが、時々青白く見えることがあるため「青星」と名前が付けられたといわれています。
赤い一等星「アルデバラン」アラビア語では「後に続くもの」よくみると小さな星たちが集まってVの形に並んで見えるところ「ヒアデス星団」です。おうし座の右目のあたりにある「アルデバラン」
この「ヒアデス星団」よくみると釣りがねの形にみえます。和名・日本では、「つりがね星」と和名がついています。
さらに伸ばしていくと「プレアデス星団」和名では、「すばる」よく聞いたことがあるかと思います。
すばるの語源は、すまる。すまるの意味は、まとまるという意味。よくみると、星が多く集まっている。
南のほうでは、「群れ星」「むりぶし」という言い方もあります。地方によって呼び方が色々と変わっています。
ぎょしゃ座の黄色く明るい星「カペラ」。「カペラ」の意味は、「ちいさなメスヤギ」星座の絵だと、男の人が抱えています。さらに、「カペラ」を中心に、5角形・将棋の駒のような形が見えるので、探してみてください。
ふたご座 二つに並んだ白い星と黄色い星 カストルとポルックス
双子の兄弟ですが、神様の血を多くひいた弟ポルックス・人間の血を多くひいた兄カストル。兄・カストルは、戦争で亡くなってしまいます。仲が良かった弟・ポルックスは、自分も死にたいと願うんですが、神の血をひいているがために、死ぬことができない。でも、一緒にいたい。その願いをかなえてくれたのが星座になった。というお話があります。ただ、兄・カストルは二等星。そして、色は、銀色。弟・ポルックスは一等星。色は、金色。このように差がついてしまった。というお話もあります。
この二つの星の和名、岡山県でも呼び方がありました。瀬戸内市牛窓のあたりでは、「ぞうに星」ちょうど正月のころに、この二つの星が夜空に上がってくるころ、お雑煮が食べられる時間などの目印になったということです。
こいぬ座の「プロキオン」色は、白色。この星は、冬の大三角をつくる一つです。
冬の大三角形は、「プロキオン」とおおいぬ座の「シリウス」とオリオン座の「ベテルギウス」この三つで、正三角形のような形になります。
この三角形の中に実は!ひとつ星座が隠れています。ここには、「一角獣座」という星座があるんです。暗くて見つけにくい星座ですが、一角獣座=ユニコーン座がいるんです。
寒い季節は、暖かい恰好をして、たくさんの星をみつけてください。
宇宙一かっこいいギターリスト 天文物理学者「ブライアン・メイ」をこよなく愛する宙の学校校長 かわいじゅんこさんでした。
ブライアン・メイ博士を調べてみてください。「Queen」のギターリストで天文物理学者なんですよ。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ 解説は、ブライアン・メイ博士をこよなく愛する 宙の学校 校長 かわいじゅんこさん
今回のテーマは、「春の星空・星座」
春は、夜も少しずつ暖かくなってきて、真冬の星空観察より少し長く外にいられますよね。
そんな、春の星空を楽しむための星空案内です。
今頃の夜(3月末)の21時くらいの南の空には、春を代表する星座たちが姿を現しています。
そして、その空をぐるっと見渡すと、春にはたくさんの目印があって、星座が探しやすいのです。
一つは、「春の大三角」そして、もう一つは?というのが、今回の問題でした。
答えの前に、探していきましょう!
まず、方角を確認して北を向きます。
東よりの空に大きなひしゃくの形・北斗七星が見つかります。
このひしゃくは柄の部分がまっすぐではありませんよね。カーブを描いています。
このカーブに沿って線をのばしていくと一つ明るく輝く黄色い星にぶつかります。
この星は、うしかい座の1等星「アルクトゥールス」。日本では、「麦星」と呼ばれていたこともあります。
実った麦のような色のアルクトゥールスは、「麦秋・麦焼」と呼ばれる麦の収穫時期に日が沈むと南の空高くに輝いています。黄金に輝く麦畑と麦星。みてみたいですよね。
さらにカーブをのばすと今度は白い星が。
これは、おとめ座の1等星「スピカ」です。
おとめ座は、誕生日の星座ですね。
自分の星座を見つけられると嬉しいものです。
さらにこのままカーブをのばしていくと、4つの星が台形を作っています。
この台形、3等星ばかりですが、周りに明るい星がないからか、不思議と目立ちます。
ここは、からす座です。
このながーーく続いたこの曲線を「春の大曲線」です。
今度は、南の空に目を向けると、特に目立つのは、はてなマークを左右鏡面反転したような形に並ぶ星たち。
「ハテナ」ではなく、「ナハテ」マークなんて言ったりしてます。
ここは、しし座の頭から胸にかけての星です。
一番下の点の部分が1等星の「レグルス」そこから東(左)に向かって長四角の胴体とその先の三角形がしっぽになります。
このしっぽの先の2等星は、「デネボラ」。
春の大曲線で見つけた「アルクトゥールス」「スピカ」「デネボラ」で「春の大三角」になります。
この三角形をデネボラとアルクトゥールスを結んだ線で線対称にするとひし形ができ、これが「春のダイヤモンド」トランプのダイヤの形です。
そのとき、てっぺんにあたる星が「コル・カロリ」という「りょうけん座」の3等星。
チャールズの心臓という意味の星で、英国王のチャールズ1世に捧げられたという説が有力です。
また、この星は、白と紫の星の二重星で、小さな望遠鏡でも楽しめる星なので、ぜひ探してみてください。
さて、春の星座の一つ「かに座」を探してみましょう。
暗い星で構成されている星座なので、なかなか見つけにくいですが、明るい星を頼りに探します。
先ほどみつけた「しし座」。そのナハテマークを「ししの大鎌」と言います。これは、西洋の草刈り鎌に似ていることから由来。
獅子は、西つまり右を向いています。
その視線の先に二つの明るい星があります。
「ふたご座」の「カストル」「ポルックス」です。
下の1等星ポルックスとしし座の胸の部分にあるレグルスを結んで、ちょうど真ん中くらいに小さな台形。ここがかに座の甲羅部分があります。
そして、その甲羅の中には、「プレセペ星団」という星の集まりがあります。
双眼鏡でも楽しめますので、お持ちの方はぜひ見てみてください。
「プレセペ星団」かにの甲羅の中にあるので、「かにみそ星団」と勝手に呼んでいます。
月のない夜、暗い場所であれば、肉眼でも見ることができます。
しし座とかに座を見つけられたら、今度は、この二つの下にある星座を見つけましょう。
ここには、一番大きな星座が横たわっています。
「うみへび座」です。
かにみそプレセペ星団の下には3等星2個と小さい星がいくつか見えますが、その辺りがうみへびの頭。
さらに下にはオレンジ色の2等星、うみへびの心臓にあたり「アルファルド」といいます。
ここまで、見つけることができますが、夜の21時この時間は、まだうみへびの全身は見えていません。
夜の23時くらいにようやく全身が見えるほどの大きさなのです。
うみへび座は88星座の中で一番大きい星座です。
全て(全身)が見えてきたとき、頭は南西、しっぽの先は南東という大きさ。
これまで紹介したしし座。かに座、うみへび座には、共通点があります。
それは、みんな「ヘルクレス」に退治されてしまった化け物。ということ。
その中の一つのお話。
うみへび座というのは、「ヒドラ」といいます。
ヒドラは元々、9つの頭を持つ化け物で、ヒドラを退治しろ!とヘルクレスは命令を受けます。
ところが…。
ヒドラの首を切ると、そこから2本首がはえてくる。どんどん増えていってしまう。恐ろしい化け物。
そこで、退治方法を考えました。
もう一人甥っ子を連れてきて、たいまつを持たせて、「首を切ったら、すぐに焼き焦がせ!」
首を切っては、焼き。切っては、焼き…。どんどん首が減っていきます。
その様子を陰から見ていたある生き物が…。
それは、ヒドラの親友・大きなカニ「カルキノス」
カルキノスは、大親友のヒドラがどんどん首が減っていくのをみて、居ても立っても居られない。
カルキノス「大変だ!ヒドラを助けないと!!この大きなハサミで!」
ヒドラの元へ。
ヘルクレスの足元に来た時「プチッ!」
踏まれてしまいました。
勇気あるカルキノスの行動が称えられ星座になりました。
そのあと、ヒドラも退治されてしまいました。ヒドラも星座になりました。
二人仲良く星座では、近くに並んでいます。どこにいるか確かめてみてください。
そして、春の夜空は、「宇宙の窓」とも呼ばれています。
これは、なぜなのか?
私たちが住んでいる「天の川銀河」の話からしていきたいと思います。
私たちの銀河系(天の川銀河)は、形としては、どら焼きに似ています。
丸いカステラの間にあんこが挟まってます。
どちらかというと、真ん中が盛り上がっていて、この形が銀河系だと思ってください。
私たちのいる太陽系・地球があるのは、中心からすると少し端っこの方。
この端っこの方から中心(あんこ)部分をみたとき、星がたくさんみることができます。
そこが、夏の天の川になります。
ということは、反対をみるとあんこの薄い部分が冬の天の川になります。
横からどら焼きをみたとすると、中心部分(あんこ)に向かってみると夏の天の川・反対側が冬の天の川
かわ(カステラ)部分が上下二枚重なってところ・ほとんどあんこがないところの部分を見た時が、春と秋になります。
春は、遠くの銀河がたくさん見える時期、「宇宙の窓」と呼ばれるわけです。
とくに、しし座のしっぽのあたりやおとめ座の肩のあたりには、「おとめ座銀河団」「おとめ座超銀河団」というのがあり、たくさんの銀河があります。
ただし、肉眼でこの銀河をみることはできませんが、でもそこには、多くの宇宙が広がっている。
そして、つながっている。
ちなみに、天の川銀河の直径は「約10万光年」です。
おとめ座超銀河団の直径は「2億光年」です。
その中に、およそ100の銀河群と銀河団があり、想像するだけでも果てしない。
そんな想像力を働かせながら、春の星座・星を楽しんでみてください。
解説は、
ブライアン・メイ博士に会ってきた(コンサートで)宙の学校 校長 かわいじゅんこさんでした。
みなさん「はくちょう座」ご覧になったことはありますか?
「はくちょう座」は夏の星座で大きな十字架の並びが特徴です。有名な南十字星に対して北十字星と呼ばれています。
この美しい十字架を持つ「はくちょう座」。目印は、一等星の「デネブ」という星で星座の中では、はくちょうのしっぽの辺りに輝いている星です。
「はくちょう座」は、夏の間天高くに見えるんですが、冬の時期は、はくちょうが羽を休めるために西の地平線に舞い降りるように見えています。
ちょうどクリスマスの夜に西の地平線の上に大きな十字架が見えるということで、キレイな北十字星をクリスマスの時期は、「クリスマスの星」という風に呼んでいるのです。
クリスマスの晩、天気が良ければ、西の地平線の上に立つ。大きなクリスマスの星、十字架を探してみてください。
ところでクリスマスといえば、「クリスマスツリー」の上に飾ってある星。この星を「ベツレヘムの星」という風に呼んでいます。
ベツレヘムの星は、聖書の中では、イエスキリストの誕生を東方にいた3人の博士に知らせたという星で有名です。
その星が、一体何なのか?
昔から多くの天文学者が調べてきました。
〇いきなり夜空の中に輝いて見えるので、「超新星」と呼べれる、星の爆発現象ではないか?
〇明るい金星・土星・木星などが重なって見える「惑星の会合」ではないか?
〇夜空の中に現れる大きな尾を引いていく「彗星」・ほうき星ではないか?
色々な説があったんです。でも、残念ながらいまだに正体はわかっていません。
この冬の時期、星空がとてもきれいです。ぜひ星空観測を行っていただきたいです。
「空を見上げる」「上を見上げる」ということは、心に非常にいいんだそうです。脳科学の先生によると、人間は、「上を見上げている」と未来の事、成功した事や、ポジティブなイメージをもつそうです。
逆に、「下を向く」と失敗した事、過去の事、ネガティブなイメージを思い浮かべてしまうそうです。なので、「空を見上げる」「上を見上げる」つまり、夜空を見上げることは、心にいいんです。冬の時期は、明るい一等星を多く見つけることができます。
ぜひ、「夜空を見上げて」みてください。
コスモプラネタリウム渋谷では、色んな経験をした解説員が多く、個性豊かです。ぜひ、遊びにきてください。
「オーロラ」
オーロラをご覧になったことはありますか?
実際に見た!という方は、少ないかと思いますが、でも、一生の間に一度は、見ていただきたい。
オーロラのよく見える場所
例えば、カナダの「イエローナイフ」・ノルウェー・フィンランド・アラスカ
なぜ、よく見える場所があるのか?
それは、オーロラのメカニズムにあります。
オーロラの素になっているのは、太陽からやってくる電気の粒「荷電粒子」。太陽は、表面が爆発現象を起こすと多くの荷電粒子が太陽風によって地球に飛んできます。
地球は、大きな磁石のようになっていて「磁力線」があり、この「磁力線」は、北極・南極の極地方に通っています。
太陽からやってきた荷電粒子がこの磁力線に引っ張られて極地方・北極、南極方向に落ちてきます。そうすると、電気の粒と地球の大気がぶつかって輝くのが「オーロラ」です。
宇宙からみたオーロラはというのは、まるで地球にきれいな冠がかかっているような丸く見えているのです。これを「オーロラオーバル」と呼んでいます。
この「オーロラオーバル」の下、周りに、オーロラがよく見える場所になるわけです。
みなさんがイメージするオーロラは、カーテンが揺らめくようなイメージかと思います。オーロラも色んな見え方があるため、古代から色々な名前で呼ばれていました。
そもそもオーロラという呼び方をしたのは、諸説ありますが、あの「ガリレオ・ガリレイ」が名付けたのではないか?という説があります。
ガリレオ・ガリレイが「オーロラ」という名前をつけた理由は、オーロラというのは、夜空の中を少しずつ太陽の光が出てくる。光のようなものではないか?と思われていたこともあったよう。そこで、ローマ神話に登場する「暁の女神 アウロラ」から「オーロラ」という名前を付けたようです。
現地では、「ノーサンライズ」と呼ぶことが多いようです。
また、古代中国では、「天を駆ける竜のようだ」
哲学者・アリストテレスは、天の裂け目から噴き出す「炎のようだ」
日本書紀でも呼び方があり「赤気」日本では、赤く見えるオーロラが見えたようです。
オーロラは、様々な呼ばれ方があったようです。
オーロラは、地球で起こる現象として、「希望の光」といえるのかもしれません。夜空を見上げるこの時間は、少し、平和な時間になるのではないかと思います。
癒しの星空解説員 コスモプラネタリウム渋谷 永田さんでした。
石垣島天文台について
望遠鏡の口径は、九州・沖縄エリアでは、一番大きい、直径105cmの反射望遠鏡。望遠鏡の名前・愛称を募集して決めました。
むりかぶし望遠鏡…八重山諸島では、地域の方の生活のなじみのある“すばる”を「むりかぶし(群れ星)」と昔から呼んでいて、その愛称がついた。
直径105cmの反射望遠鏡を使うと400km先のロウソクの光がみえるそうです。星でいうと、20等星までみれる。※人の目だと6等星ぐらいまでみることができる。
八重山諸島は、晴天率がよく、大気の揺らぎが少ない。そのため、星がよくみえるということになります。
西表石垣国立公園は、2018年3月 国際ダークスカイ協会による「ダークスカイ・パーク」に国内初となる認定を受けました。
石垣島天文台ができたときに、視察にて、国際ダークスカイ会員の方に認定の打診を受けたそうです。島々では、星がきれいに見ることができる。
【さそり座の話】
八重山諸島で、南十字星や、ケンタウルス座α、β星をみることができ、しばらくするとさそり座がのぼってくるをみて感動したそうです。
さそり座の赤い星「アンタレス」を八重山諸島では、酔っぱらいのお爺さんというそうです。
泡盛(沖縄のお酒)を飲んで顔を真っ赤にしているおじー(おじいさん)で天の川で、魚釣り(うなぎ)を釣っている という。
さそり座の特徴として、さそりのしっぽの部分が、釣り針の形に似ていて「いゆちゃーぶし」「つりばりの星」という呼び方をしている。
つりばりの先が天の川へ入っているように見え、天の川の黒い筋(暗黒星雲)がうなぎのように見える。昔は、今夜もあのおじーは、うなぎが釣れるかね?といいながら歩いていたとのエピソード。
沖縄での星・星座の呼び方
天の川…てぃんがーら
北極星…にぬふぁーぶし
すばる…むりかぶし
さそり座…いゆちゃーぶし
アンタレス(酔っぱらいのおじー)…びたこりぶし
ケンタウルス座…はいがぶし・ぱいがぶし
沖縄では、北=にし 南=はい・ぱい 東=あがり 西=いり 太陽があがる=東 太陽が沈む(水平線に入っていく・日の入り)=西
八重山諸島では、2月に種まき 6月には稲刈り・漁にでる(カツオ)シーズン 星をみる習慣があったようです。
石垣島では、北緯24度となっているため、本土とは、10度程度差がでる。
本土でみる水平線の下の10度分見ることができるため、春から秋にかけて、1等星 21個全てみることができる。
【カノープス=見ることができれば、長生きできる(中国のエピソード)】
石垣島では、10度分広くみることができるため、結構高い位置にカノープスをみることができる。
岡山県からカノープスをみようとすると、四国山脈の辺りの水平線ギリギリのところ 星好きの方からすると、見えたり見えなかったりするため「土佐のおうちゃく星」なんて言ったりすることも。
沖縄の方が長生きなのは、カノープスがいつでも見ることができるからかもしれない。
7月7日は、海開きならぬ星開き
8月10日辺り(旧暦の七夕)ライトダウン(1時間程度)をして星を見る 星祭り
お話は、石垣島天文台 元所長 現在は、八重山諸島星空ガイドをされている 宮地さんでした。
ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ 南十字星の見える島々、八重山諸島の星空ガイド 宮地さん
昔、八重山諸島の農家の人たちは大変貧しい暮らしをしていました。
この状況を天の王様がみていて 「たくさんの星の中で八重山諸島を治めるものはいないのか?」星々はだれも手を挙げなかった。
「そんな大変なことはできません。」
王様はそれを聞いて非常に怒ったそう。「南の七つ星、おまえはどうだ?」
南の七つ星は、「いやいや、私はできません。」
王様は、「なぜだ?それなら組踊(沖縄の伝統「くみおどり」)を南の空でしていなさい。」「北の七つ星、おまえはどうだ?」
北の七つ星は、「いやいや、私もできません。」
王様は、「なぜだ?それなら組踊(沖縄の伝統「くみおどり」)を北の空でしていなさい。」
すると小さな星が手を挙げて「王様、それなら私にやらせてください。」
それは、すばる(むりかぶし)でした。
すばる(むりかぶし)は、小さな6つぐらいの星が集まった星
王様は、「おまえみたいな小さな星にそんなことができるのか?」
すばる(むりかぶし)は、「八重山諸島を治める仕事をやってみます!」
すると王様は、「関心なやつだ!じゃあ、東の空からのぼり、天の真上を通って、西の空へ沈んでいきなさい。」
すばる(むりかぶし)は、「はい、わかりました!」
翌日から、すばる(むりかぶし)は、東の空からのぼり、天の真上を通って、西の空へ沈んでいきました。
そうすると、農家の人たちは、毎日見える星をみて、「この星がここにきたら、きびの種をまこう。この星がここにきたら、田植えを始めよう」
この、すばる(むりかぶし)を見ながら農作業をするようになりました。
すると、計画的に作業ができるようになり 島は、豊作となり、島は、潤いました。
島の人たちは、仕事が終わる夕方になると「すばる(むりかぶし)さんありがとう。」という歌を歌いながら家に帰っていった。
宮地竹史さんは、これまでに本を出していて
本:沖縄の美ら星 四季の星ガイド
エッセイ:星の旅人-沖縄の美ら星に魅せられて
こちらにも、沖縄の星や民話などの紹介をされています。
ぜひ、チェックしてみてください。
感謝の気持ちを込めて、「みーふぁいゆー(どうもありがとう)」
問題にあった「星座早見盤」。
星空は眺めるだけでもキレイですが、星や星座がひとつでも見つけられると夜空を見上げるのが楽しくなるかと思います。
そこで「星座探し」として便利な道具が「星座早見盤」です。
「星座早見盤」とは
いつ、どの方角に、何の星座の星が見えているのかを知ることができる道具です。
どのようにして使うのか。
〇日付と時刻を合わせる
〇方角を合わせる
そうすると夜空で見えている星座がどこにあるかということがわかります。
暗いところで星座早見盤をみるときは、赤いフィルムをはった懐中電灯がオススメです。
「星座早見盤」は、毎年使うことができるのでひとつあると便利です。
ただ、「星座早見盤」には、惑星や月の位置は書かれていません。
星座をつくる星は、毎年同じ時期にほぼ同じ位置に見つけることができますが、月や惑星は、位置が変わってしまうため書かれていないのです。
解説は、岡山天文博物館 増田でした。
協力
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