ソラジオトークfrom OKAYAMAへようこそ人と科学の未来館 サイピアの月の女神「クロテミス」こと黒住です。
今回のテーマは、「月面にあるクレーター」でしたね。
放送分で解説したように、月面にあるクレーターには、天文学者、科学者、宇宙飛行士などにちなんだでつけられた名前が数多く存在します。
日本人の名前にちなんで名づけられたクレーターはシオリでした。
このシオリですが、日本初の月面着陸をした「ムーンスナイパー」こと月探査機SLIM 高精度のピンポイント着陸を目指すことから、月探査史の新たなページのシオリとなるようにという願いを込めて名付けられました。
月には、はっきりと観測できるクレーターがおよそ1600個あり、さらに小さいクレーターは7000個以上確認されています。
さて、月の不思議
地球から月の裏側を見ることはできません。
私たちがいつも見ているうさぎの模様は、月の表側です。
月の裏側はなぜ見えないのか?
月は、地球の衛星。
地球のまわりを一回り公転しています。
地球は、太陽のまわりを公転している。惑星です。
地球と月はそれぞれ、公転しながら、自らも回転します。
これを自転といいますが、月は同じ周期で自転・公転を繰り返しているため、常に同じ面を地球へ向けていることになります。月の自転公転周期は、約27.3日で、地球のまわりを一度公転する間に正確に一度1回自転をしています。
そんな月の満ち欠けは約29.5日。ちなみに地球が太陽の周りを1周するのは、365.25日です。
地球が一回転するのは、23時間56分です。
公転は、1年の長さ。自転は、1日の長さですね。
ここからは、満月色々な呼び方を紹介します。
通常よりも大きく見える満月を「スーパームーン」と呼んでいます。
スーパームーンとは、月が地球に接近することで、通常よりも大きく、かつ明るく見える満月のことです。
さらにその反対の通常よりも小さく見える満月を「マイクロムーン」
スーパームーンとは反対に、月と地球との距離が最も遠くなるときに見られます。
スーパームーンとマイクロムーンとでは大きさが14%、明るさが30%異なるようです。
アメリカの先住民族ネイティブアメリカンは、12ヶ月の満月に、時期に合った名前を付けて、農作業や狩猟の時期に必要な季節の移り変わりを知ることに役立てていました。
代表的なものを紹介します。
1月の満月は「ウルフムーン」と呼ばれています。
1月は狼が空腹でいつもより遠吠えがよく聞こえる月という意味です。
2月の満月「スノームーン」
大雪が降ることが多い月なのでこう呼ばれています。
他にも穀物が取れにくく生活が厳しくなることから「ハンガームーン(飢餓月・きがづき)」と呼ばれることもあります。
3月の満月「ワームムーン」
だんだんと暖かくなり、虫たちが活動を始める時期だからです。季節は春へと向かい、様々な動物たちが目を覚まします。
4月の満月「ピンクムーン」
「ピンク」とは野生のシバザクラやクサキョウチクトウのことで、北米では春になると山や丘がピンク色に染まるそうです。
日本では、桜が満開の時期ですね。
5月の満月「フラワームーン」
さまざまな花が咲き始める5月の北米では、アネモネ、スミレなど次々に花が咲き始め、月明かりが花畑を照らします。
6月の満月「ストロベリームーン」
月が赤く見えるからというわけではなく、イチゴの収穫にのぼる月のこと指しています。
7月の満月「バックムーン」
「バック」とは雄鹿のこと。雄鹿の象徴である角が7月頃になると生え変わることにちなんで命名されました。枝角と呼ばれる雄鹿の角は、毎年生え変わります。
8月の満月は「スタージョンムーン」
日本語では「チョウザメ月」。8月になると北米の湖や河川で盛んにおこなわれていたチョウザメ漁が最盛期を迎えます。
アメリカ先住民は、チョウザメを魚の王様と考えていたようです。
9月の満月「ハーベストムーン」
北米では農作物をこの時期に収穫(=Harvest・ハーベスト)するからです。秋分に近い満月をそう呼ぶため、ハーベストムーンは10月になることもあります。
10月の満月「ハンターズムーン」
長い冬に向けて肉を蓄え始めるための狩猟が始まります。
10月は月明かりが強いため、その光を頼りに、ハンターたちが獲物を狩ります。
11月の満月は「ビーバームーン」
北米に生息するビーバーが、冬を越すために巣作りを始めることからこう呼ばれています。
12月の満月は「コールドムーン」
文字通り寒さが厳しくなり、本格的な冬の到来するころです。日本でも、冬の夜の冷たくさえわたった光の月を「寒月」と呼び、季語にもなっています。
身近な天体 月ですが、もし、お手元に財布があったら5円玉を取り出して試してみてください。
満月の夜、5円玉を親指と人差し指ではさんで、腕を約55cmくらいでしょうか?
しっかりのばして、その中心・真ん中の穴をから月をみてみましょう。
ちょうど5円玉の中心部分にすっぽりと月が収まります。
5円玉は、よく神社などで、いいご縁がありますようになど、願掛けとして使われることがあるかと思います。
5円玉のデザインは、農業のイメージとして、イネが描かれていて、その裏側をみてみると林業のイメージで木の芽。
水産業のイメージの水、穴のまわりのギザギザは工業をイメージした歯車を示しています。
つまり、日本の繁栄・安全を願う硬貨ということになります。
その中心部分に月を入れてみるとどうなるでしょうか?
日本では、月の神様・ツクヨミがいます。
ツクヨミは、すごく優しい神様で、私たちの運(ツキ)の神様でもあります。
ですので、5円玉にお願い事をするのも私たちの生活の中では、なかなか粋なことなのかもしれませんね。
以上解説は、今夜の月はきれいですね。
人と科学の未来館 サイピア 黒住でした。
問題「太陽系の惑星で2番目に小さい惑星は?」でした。
太陽の周りをまわっている天体は数多くあるのですが、そのうち次の条件を満たすものを「惑星」と呼びます。
1つ目
太陽の周りをまわっている。これを公転しているといいます。
2つ目
十分大きな質量を持っており、自分自身の重力によってほとんど丸い球の形になっている。
3つ目
自分の公転軌道に他の惑星がない。
太陽系でこれらの条件を満たす惑星は、8つあります。
太陽に近いところから
水星→金星→地球→火星→木星→土星→天王星→海王星 です。
水金地火木土天海「すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい」と覚えた方も多いのではないでしょうか?
これら8つの惑星を直径の大きい順に並べると
木星→土星→天王星→海王星→地球→金星→火星→水星 となります。
これらは、「も・どっ・て・かい・ち・きん・か・すい」といったところでしょうか?
惑星の特徴をみていくと
水星・金星・地球・火星は、主に岩石でできている岩石惑星で、地球型惑星と呼ばれます。
木星・土星は、主にガスでできていて、巨大ガス惑星。
天王星・海王星は、主に氷でできていて、巨大氷惑星で、これらは、木星型惑星と呼ばれます。なお、天王星と海王星は、天王星型惑星と呼ばれる場合もあります。
今回の問題に登場した惑星の特徴を紹介します。
水星
水星の地表の様子は、月と同じように多くのクレーターに覆われています。一番太陽に近い軌道を公転している上に、大気がほとんどなく、自転周期が約2カ月、昼と夜がそれぞれ1カ月ずつ続きます。強烈な日光を浴びて昼の表面温度は、約430℃にも達します。一方夜には、熱が宇宙空間に逃げてしまい、約マイナス170℃まで冷え込みます。昼と夜の温度差が約600℃もある過酷な環境の惑星です。
金星
金星は、地球のすぐ内側を約7カ月の周期で公転しています。不思議なことに自転の向きが他の惑星と反対で約8カ月かけてゆっくり自転しています。地球の双子星と呼ばれるほど、大きさも重さも地球とよく似ており、その内部構造も地球とほぼ同じであると考えられています。金星には、非常に分厚い大気があり、地表での大気圧は地球の約90倍。成分のほとんどが、二酸化炭素です。二酸化炭素による温室効果が働き、表面温度は、昼も夜も約460℃にもなり、これは、水星よりも高い値です。上空には、濃い硫酸の雲が何キロメートルもの厚さで広がっていたり、秒速100メートルの強風が吹いていたりします。美の女神「ビーナス」の名前をもつ金星ですが、その環境は、なかなか強烈です。地球から見える金星は、一際明るく夕方か明け方の空で存在感を放ちます。明るいときは、マイナス4等級以上にもなり、宵の明星・明けの明星と呼ばれます。
火星
火星は地球の一つ外側を公転している惑星で、太陽から約2億3千万キロメートルの軌道を約2年かけて1周しています。自転周期は、地球とほぼ同じくらいです。直径は、地球の約半分で質量は、約10分の1と小さく、重力も約40%ほどしかありませんが、二酸化炭素を主成分とするごく薄い大気を持っています。地表が赤っぽくみえるのは、鉄がサビてできる酸化鉄を多く含んでいるためです。火星の北極と南極には、水の氷や二酸化炭素でできた氷(ドライアイス)極冠と呼ばれる白くみえる部分があります。気温は、約マイナス130℃から約30℃です。厳しいとはいえ、太陽系の惑星の内、地球以外で唯一人類が降り立つことが可能な環境といえるかもしれません。
先日、インドの無人探査機が月面着陸に成功して、地中の温度や成分の測定に成功したニュースもありました。現在進行中のアルテミス計画では、月だけでなく火星にも宇宙飛行士を送り込むという計画もあるようなので、今後の展開が楽しみですね!
最後に
海王星
海王星は、太陽系の中では、4番目に大きな惑星ですが、太陽から地球までの距離の約30倍も離れているため、肉眼では見せません。地球の約4倍の半径をもち、質量は、地球の約17倍、公転周期はとても長く約165年です。太陽からの距離がとても遠いため、エネルギーをごくわずかしか受けることができず、表面温度は、約マイナス200℃以下の超低温です。これほど低温になるとほとんどの物質が凍り付いてしまい、氷惑星と呼ばれる。望遠鏡を使って観察すると海王星の大気中に含まれるメタンによって少し青白く見えます。
ところで、いろいろな惑星がありますが、地球以外の惑星で私たちは生活できるのでしょうか?
今のところ生命の存在が確認されているのは、太陽系のなかでは、地球だけです。生物が生きるためには、適切な温度や酸素、水などの存在が不可欠です。生命が存在するのに適した環境は、「ハビタブルゾーン」と呼ばれます。
まず、太陽から程よい距離にあることが重要で、太陽からの距離が近すぎると温度が高くなりすぎて地表には、液体の水が存在できないし、太陽から遠すぎると温度が低くなりすぎて、水や色々な気体も凍ってしまいます。また、惑星の大きさも重要で、地表に大気を引きつけておくために、十分な重力を持つためには、地球ぐらいの質量が必要です。
いくつか例を挙げると
月や火星には、水が氷の状態で存在していると考えられていますが、その量や含まれている成分などはよくわかっていません。
土星の衛星である「エンケラドス」は、水蒸気を盛んに噴き出している様子が観測され、地下に大量の水が存在すると考えられています。
他にも、温度など特定の条件を満たす天体は、あるようですが…。色々な条件を十分満たして、平均気温が約15℃の環境を保っている地球は、まさに、”奇跡の星”といえるかもしれません。
解説は、岡山天文博物館 大島さんでした。
問題「火星にある極冠の氷は、主に何でできているか?」で、正解は、「二酸化炭素」でした。
火星とは、どんな惑星でしょうか?
〇火星は、地球の一つ外側を公転している惑星。
〇太陽から約2億2800万km離れている(地球は、約1億5000万km離れています。)
〇地球が太陽の周りを1年(365日)をかけて1周公転しているのに対して、火星は、約1年11ヵ月(687日)
〇自転周期は、地球では約23時間56分、火星は約24時間37分
〇火星には四季の変化があります。四季があるということは、地球と同じように自転軸を傾けながら太陽の周りを公転している。
〇火星は、地球と同じように表面が岩石でできた岩石惑星または、地球型惑星と呼ばれます。
〇火星の直径は、地球の約半分、重さは、質量でいうと約10分の1。質量が小さいため、重力・引っ張る力が弱くなるため、たくさんの大気を蓄えることが難しい。大気がある惑星とはいえ、金星や地球に比べて大気の量が少なく、薄い大気しかない。
〇大気圧は、地球と比べると約1000分の6、つまり地球の100分の1以下となります。人類では、すぐ窒息してしまう。
〇大気の成分は、金星と同じく「二酸化炭素(CO2)」が主成分。
〇火星の表面は、赤っぽくみえる。これは、ほとんど砂漠のような場所。砂嵐が頻発するため、火星の表面の砂(赤っぽい砂)が舞い上がり周辺を覆い、赤っぽくみえる。赤っぽくみえる成分は、大気の中にあるごくわずかな酸素によって岩石中の鉄が、酸化した、酸化鉄(鉄さび)によるものです。
〇火星の極冠、これは、地球でいう「北極」「南極」と似たようなイメージですが、火星も四季があり、極端に極冠の大きさが変わります。地球上では、北極・南極の氷の面積が、季節によって極端に変化することは、ありません。
ただし、地球の氷の成分と火星の氷の成分は異なります。
火星は、水が凍った氷ではなく、見えている極冠は、二酸化炭素でできています。二酸化炭素の氷のことを「ドライアイス」といいます。極冠の主成分は、「ドライアイス」。四季の変化で蒸発したり、凍ったり、つまり、大きくなったり、小さくなったりする。
〇火星の自転軸約25度・地球は、約23.4度とよく似ている
〇極冠(ドライアイス)部分の地下に「水」が凍った氷も存在していることが探査機の調査によってわかっています。
〇火星の周りには、地球の月と同じように、衛星がある。火星には、二つの衛星「フォボス」と「ダイモス」この二つの衛星は、極めて小さい。他の惑星にも同様に衛星があるが、月のように大きな衛星は、異常に大きいともいえる。
〇「フォボス」と「ダイモス」はいびつな形をしている。表面の様子を撮影(分光(虹色に分けるスペクトル観測))・分光観測をしてみると火星と木星の間に存在している小惑星によく似ている。おそらく、火星に接近した際に、火星の重力にとらえられて公転するようになったのでは?考えられていました。火星との距離は、「フォボス」約6000km「ダイモス」約2万km。
〇JAXAでは、2024年に「フォボス」に向けて探査機を飛ばす計画です。「MMX」と呼ばれる探査計画で、表面の物質や内側の物質を持ち帰るサンプルリターン。小惑星「イトカワ」や「りゅうぐう」よりもさらに遠い場所にある火星の衛星「フォボス」で行う。サンプルリターンによって「フォボス」が・どのようにできた天体なのか?・なぜ火星の周りをまわっているのか?火星自身がどのように形成されたのか?・火星には生命がいる可能性があるのか?このようななぞの解明に日本のJAXAが挑戦します。
〇火星は、地球よりも早く進化した惑星と言われています。およそ46億年前に形成された惑星。45億年前から39億年前の時代地球と同じように表面は、海で覆われていたことが、ほぼわかっています。では、当時大量にあった水はどこへ行ってしまったのか?火星は、地球の10分の1の質量しかないため、そのいくつかは、大気中へ逃げてしまったことでしょう。しかし、「氷」の存在「メタン」の存在が、生命が存在していると考える学者もいるくらいです。ただし、確実な証拠は見つかっていません。多くの国が火星に今注目しています。太陽系の中では、地球と環境がよく似ているため、将来、火星に行く・定住する「テラホーミング(惑星地球化計画)」を考えている方もいるぐらいです。現在では、再び月を目指す「アルテミス計画」実現しようとしている日々ですが、月探査の次の目標は火星です。
解説は、国立天文台 縣さんでした。
問題「次のうちに肉眼ではみることができない惑星はどれか」でした。
「惑星」とは、太陽のような恒星の周りをまわる天体のことで、太陽系には、内側から水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があります。
このうち肉眼で見ることができる惑星は、地球を除くと水星、金星、火星、木星、土星、天王星の6つとなります。
みることができるといっても時間や方向など、さまざまな条件が発生します。
それぞれの特徴として
「水星」は、太陽に最も近いことから観測できる時間が短く、お目にかかることが少ない天体です。
「金星」は、宵の明星・明けの明星と呼ばれるほど、他のどの星よりも明るく輝くことが多いので初心者でも簡単にみつけることができます。
「木星」は、一番大きな惑星で、金星の次に見つけやすくとても見ごたえがあります。
「土星」は、輪っかのある星として有名ですね。こちらも明るいので肉眼で見つけることができますが、輪を見るためには、天体望遠鏡が必要となります。
「天王星」は、ギリギリ肉眼で見える等級ですが、とても空が暗いところでなければ見つけるのはかなり難しいです。通常は、双眼鏡や天体望遠鏡での観測になります。
では、なぜ、みえないのか。
惑星は、自ら光るのではなく、太陽の光を反射することで輝いて見える天体です。「海王星」は、太陽や地球から遠く離れているため肉眼でみるには明るさが足りません。
太陽の光を反射することで輝いて見える天体。
それでは、それぞれの惑星と太陽との距離はどのぐらいなのでしょうか?
太陽から水星までの距離は、約5790万㎞ 平均気温は、167度。ただし、水星は、自転が遅く大気が薄いため、夜の温度は昼の温度より600度以上も低くなります。
太陽から金星までの距離は、約1億820万㎞ 平均気温は、464度。水星より遠いのに表面温度が高くなるわけは、金星は、二酸化炭素を主成分とする分厚い大気に覆われており、その温室効果によって太陽系の中でも最も高温の惑星になっています。
太陽から地球までの距離は、約1億4959万㎞ 平均気温は、15度
太陽から火星までの距離は、約2億2794万㎞ 平均気温は、マイナス65度
太陽から木星までの距離は、約7億7834万㎞ 平均気温は、マイナス110度
太陽から土星までの距離は、約14億2666万㎞ 平均気温は、マイナス140度
太陽から天王星までの距離は、約28億7065万㎞ 平均気温は、マイナス195度
太陽から海王星までの距離は、約44億9839万㎞ 平均気温は、マイナス200度
距離を別角度にて、太陽系内での距離に言及する際、「天文単位(au)」という単位がよく使われます。天文単位は、太陽と地球の間の平均距離をもとに決められた定数で、1天文単位は、1億4959万7870.7㎞と定義されています。
約1億5000万㎞と覚えておくと便利です。
太陽から各惑星までの平均距離を天文単位で表すと
水星は、約0.39天文単位(au)
金星は、約0.72天文単位(au)
地球は、1天文単位(au)
火星は、約1.52天文単位(au)
木星は、約5.2天文単位(au)
土星は、約9.54天文単位(au)
天王星は、約19.19天文単位(au)
海王星は、約30.07天文単位(au)となります。
このように肉眼でも楽しめる惑星はたくさんあります。子供たちとの遊びの中に「惑星探し」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
解説は、奥村さんでした。
放送分で解説したように、地球が最終的にできあがる直前の原始地球に火星ぐらいの大きさの原始惑星が衝突したと考えられています。
この時の衝突で発生した、放出物が寄り集まって月ができあがったと考えられています。
とても大きな衝突だったので、この月形成メカニズムをジャイアントインパクト説といいます。
ここからは、番組名の通り「ソラジオトーク」をしていきましょう!
まず始めに、月の内部はどのようになっているのでしょうか?
月の前に地球の内部構造のお話をしたいと思います。
地球の表面は岩石からなる地殻でできています。その内側に岩石が溶けたようなマントル、そしてその内側に金属が溶けたような核とよばれる部分からなります。
月も基本的には同じ構造をしていると考えられていますが、月の場合は核の部分が少ないと考えられています。それはジャイアントインパクトがあったから。
なぜ、そんな事がわかるのでしょう?
いろんな手法はありますが、代表的な方法は月の地震、月震で調べます。
地球と発生メカニズムは違うのですが月でも地震が起こります。そしてアポロの時代から地震計を持っていっています。この地震で震動の伝わり方を調べて、内部構造を推定しています。
日本でもかつてルナーAという探査機計画があって、その計画ではペネトレーターという地震計の機能のある槍状の観測装置を月面にさして地震の様子を調べる予定でした。が、ただ残念ながら計画は中止となりました。
中心部分まで届くのでしょうか?
表面の数メートルぐらいですが、色々な箇所にさしたり、たまに、隕石などが衝突した震えをとらえたりすることもあります。そういったデータを元に内部構造を推定しています。
その後の日本の探査機は?月を目指したのでしょうか?
有名なところで言うと、かぐやなどあったのですが、実はちょうど今、SLIMという探査機が月に向かっています。
2024年1月20日に日本初の月面着陸を目指しています。SLIMには月面探査ロボットも搭載されているようです。期待しましょう。
着陸するときはどんなかんじなのでしょうか?
担当者じゃないので詳しくはわかりませんが、SLIMの特徴としては、これまで月面に到着した探査機は降りることができる地表に降りていたんです。高精度ナビケーションシステムを駆使して、SLIMは降りたいところに降りる。
勉強になりました。ここからは、空想で聞きたいと思います。月はかなりでこぼこしてますよね?地球より隕石が多くぶつかったのでしょうか?
おそらくですが、地球と同等に隕石などの衝突物がぶつかった。あるいは、地球は、月よりも多くぶつかっている。
それは、地球の方が重力が強いため、よりたくさんの隕石・衝突物を引き寄せたと考えられます。宇宙規模でいうと、地球と月はほぼ同じ位置にいることになります。
ぶつかった場所は、風や雨などによる風化することで、多くの隕石などの跡が見えなくなった。なだらかになっている。月の場合は、地球のような環境下ではないため、クレーターなどの跡は、そのままになっています。地球も月と同じような環境下であれば同じように数多くのクレーターがある・ぶつかった星ということ。
季節や時間帯によって月の色が変わってみえるのはなぜですか?
黄色や、赤っぽくみえるのは、月が地平線から上がる前、沈む前ごろのことで、白くみえるのは、天頂付近に到達したときだと思います。
理屈としては、朝焼け・夕焼けなど、太陽と一緒で、地球の大気にチリやガス舞っていて、光がこのチリやガスに反射されて、様々な色を含んでいる光の色が人間の目に届かないため。目に届く光で、赤色の光は光の波長・波の間隔が長く、砂粒・チリ・ガスをよけて届きやすく、月の色が変わって見えるわけです。
アニメや映画に出てくるような惑星などが部分的に破壊される、割れるなどが起こった時に、その星は、破壊されたままの状態になるのですか?形状復帰するものでしょうか?ぶつかったもの同士でいびつな形になるのか?
ぶつかって壊れた場合、今回、ジャイアントインパクト説の話をしたので、放出物が集まってほぼ丸・球状の月になったわけですが、丸に(球状)なりやすい。
では、なぜ球体になるのか?天体ってだいたい球状ですよね?
これは、「重力」で集まってるから。なんです。
難しい言い方をすると「集方的な力」
等方的な力とは、距離が同じ上下左右・等しく距離に対して働く力。ボロボロになったときに、仮に岩石などが一時的に溶けてドロドロになったとすると
「重力」で集まった岩石は、均等に集まっていくため、球状になる。
太陽も気体なので球。液体や気体などは、球になる。惑星も昔は、衝突を繰り返して温度が高くなり、溶けて液体状となり、球状になっている。
つぶを1万個・10万個と数値シュミレーションで用意して重力による力とすると球状になります。ただし、自転速度が早い場合は、この限りではないです。
球体が崩れて、円盤(◇・ひし形)のようになる場合もあります。
さらに、自転速度が早すぎるために、円盤から飛び出したりする星もあります。それが、分裂説などの説明になります。
小惑星であれば、「リュウグウ」がそうです。そろばんのこまのような形をしています。
月で野球をしたらどうなる?
野球といえば、投げて・打つ
投げるとなったときに、 地球だと地面につたわる力があるからボールの速度でるわけですよね。踏ん張りは効かなくなりますよね。
となると、どこの力で投げるのか?投げた軌道は、ほぼ投げた地点から直線でキャッチャーまでボールが進行していく。
で、バッターが打った場合?
宇宙へ脱出まではいかないと思います。
打つ方も踏ん張れない?
踏ん張れない。まず、ピッチャーは、変化球が投げられない。空気がないから。
ストレート勝負!
おそらく、プロ野球選手でも70~80キロ出ればいいほうだと思います。
ただ、バッティングマシーンを置いてみたら、変わらずスピードがでるのでは?で、変化球はなし。
回転かけても意味はないですよね。マグナス効果なし。
※マグヌス効果とは、回転しながら進む物体にその進行方向に対して垂直の力が働く現象を言う。マグナス効果とも呼ばれる。ただ、回転・スピンしたほうが、安定度などは増すかもしれない。
打ったボールはなかなか落ちてこない。なので、両翼は、500m規模でいるかも。
バッターが走る方が早い?
走る方が早くなる。となると。月版野球は、だいぶルールを変えないといけないですね。
ムーンビレッジ国際ワークショップには参加できませんでしたが、将来、月で何かスポーツ「運動」は、人が生きていく上で必要なこと。こういった妄想も悪くはないですね。
※第7回 ムーンビレッジ国際ワークショップ/シンポジウム 持続的月面有人活動の実現と月における人類社会の構築に向けてムーンビレッジ国際ワークショップ/シンポジウムを開催。月面における持続的有人活動から人類社会の構築という視点で,技術的課題のみならず月面における多様な分野の講演。
今も宇宙飛行士の方が、宇宙ステーションの中で色んな運動をしたりしてますが、考えとしては、地球上で行われるスポーツを月でやったらどうなる?はいいと思います。
他には?
ボルダリングでしょう!普段登れないのが、プロの選手のように登れる!
もちろんオリンピック選手はさらにすごいんでしょうけど。
ロープも要らない?
そうですね、落ちても痛くない。
そもそも、ボルダリングのボルダーは、岩のかたまりという意味です。
月や小惑星などの岩のかたまりのことをボルダーというのです。天然のボルダーで、ボルダリング!
サッカーも楽しそうですけど、なかなか大変だと思います。
月の砂は、レゴリスというのですが、けっこうボールが地面に埋まってしまうかも。
※月のレゴリスはかなりきめ細かい砂のようなものです。かなり砂が舞い上がる。電気を帯びやすく、磁石にもくっつく性質を持ちます。
ロングスローはみんな投げられる。あとは、憧れのスカイラブハリケーンができる!
キャプテン翼の!※スカイラブハリケーンとは、立花兄弟の代名詞とも言える必殺技
スポーツに対する歓声などを出しても月では聞こえない?
宇宙空間でスポーツをすると声は聞こえないです。月面基地の中でやると聞こえる(空気があるから)
無線でやりとりをするか?でしょうか?ただ、月の環境下だと…。我々が穏やかに過ごせるのは、大気のおかげ。
※月の温度 昼間は、約110℃。夜は、約マイナス170℃。寒暖差がかなり激しい。月には大気がほとんどないから。大気には、熱い太陽の光を和らげ、なおかつ温まった地表の熱を逃さないという働きがあります。
月の表面重力というのは、地球の約6分の1と非常に小さくなっているため、大切な役割を担う大気や水が保持できず、全て宇宙に逃げてしまうのです。
やっぱり、月面基地を作って、地球の6分の1の重力という環境下の中で楽しむのが、一番ですね。
室内競技になっちゃう!
ということで、空想ということなので、ご了承ください。
今回は、星空料理人 日本スペースガード協会 浦川さんに月について色々と伺いました!
「エンケラドス」は、星全体は氷(雪)で覆われて、太陽系の中でもっとも白い星
白いというだけで特徴がある星ですが、1997年に打ち上げられた土星探査機「カッシーニ」によって土星に接近し、詳しく調べた結果
「エンケラドス」では、物凄く噴水のように噴き出している姿が捉えられ、氷の火山とも呼ばれる状態が、「エンケラドス」から見ることができ、噴水のように水が噴き出すことによって、宇宙空間で瞬時に冷やされ、雪として「エンケラドス」の地表に降り注いでいることがわかりました。
探査の結果を踏まえて、噴き出しているものを調べることができ、データに基づいて色んな観測者が解析をしています。
この噴き出している物質は「何か?」また、「なぜこのような現象が起きているか?」
2023年にもどんどん新しい発表があり、その中では、「水素を発見した」「シリカという物質を発見した」シリカという物質は、温泉などで見ることができるツブツブ(細かな岩石物質)これは、物凄く高温の温泉でないとみることができない物質。
さらに、「有機物の発見」
有機物とは、生物の体を作るような物質で、「エンケラドス」の噴き出している成分からは、そういった物質が多く含まれているということが、わかってきました。
こういったことから、「エンケラドス」の氷の下には、「海」がある。
地底の海には、生き物がいてもおかしくないのではないか?との見解もあるようです。
地球に住む我々と同じように、生き物に必要なものは、「水」「エネルギー源」
太陽から離れ、太陽光100分の1の世界、そんな寒い世界であっても生き物がいるかもしれない。観測者からは期待されています。
ただし、どうやって地中・中身を調べるか?
噴き出した物質を調べることはできるが、実際に調べるには、直接探査機などを使って調べる必要がある。
しかしながら、噴き出した物質の成分を詳しく知る必要がある。観測者の中で注目を浴びる「エンケラドス」。
ちなみに、同じように地中に海がある・水がある星はいくつか見つかっています。
「エンケラドス」のように、噴き出すまではいかないものの 例えば、木星の衛星「エウロパ」や冥王星など、地球のように表面に生き物がいる。ということだけでなく、氷の下の海底・地中に生き物がいるということが、宇宙では一般的なのかもしれない。
いずれにしても、今までの常識が探査によって覆されるのが醍醐味。色んな星のニュースに注目していただきたいです。
星の時間の案内人 大阪市立科学館 渡部でした。
協力
Copyright © 2022 OKAYAMA FM Inc. All rights reserved.